JOKER
そんな銀司のことを横目で眺め、あたしはこれからどうやって仕掛けていこうかと、悩んでいた。


「お話、終わった?」


さっき、奈美によって部屋を連れ出された、心羽が部屋の中を除く。


あたしは、銀司の様子を伺う。


「終わった」


銀司は今まで見たこともないような、優しい顔で答えた。


「お姉ちゃんとお話しても良い?」


銀司は一度、あたしのことを見る。


「あぁ」


そして、あたしの返事も聞かずに答えた。


心羽は嬉しそうに、あたしの元へと近寄ってくる。


「ねぇねぇ、お姉ちゃんのお名前は?」


そう、心羽は笑顔で尋ねる。


「名前ぐらい、教えてやれよ」


何も答えないでいるあたしに、銀司が指図する。

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