囚われる心と体
正気に返り周りの風景を見回したが全く知らない場所だった。え…ここドコ?おろおろしてる私をよそに腹黒王子はさっさと歩き出した。
と、とにかくここで迷子になるわけにはいかない。私は慌てて沢井卓人の後を追った。
すると、一際目立つ高層マンションの入口に向かって腹黒王子は進んで行く。ちょっとこれってまさかのお持ち帰りですか?冗談じゃない。なんでノコノコと食われに行かなきゃならんのだ。
「あのっ!私、帰ります」
「あ"?」
振り返った腹黒王子の背中にはブリザードが吹き荒れている。おもいっきり機嫌が悪そうだ。
「知らないお宅にお邪魔するわけにはいきませんから」
「俺の家なんだから知らない奴じゃねーだろ」
いやいやいや。論点がずれてますから。いくら私だって夜にノコノコと男の部屋に着いていくほど馬鹿じゃない。
それにこんな事が社内に知れたら間違いなく私は刺し殺される。