囚われる心と体
「と、とにかくタクシー捕まえて帰ります」
「この辺に流しのタクシーなんて来ねーよ。寝てたお前が悪いんだ。行くぞ」
腕をガシッと掴まれ引きずられる。
「ちょっと、離してよっ」
「それに。お前を襲うほど不自由してねーから安心しろ」
「……」
そう言われてしまうと抵抗するのも意識してるみたいで躊躇する。どうせ私は貴方の範疇外ってことですよね。
いいんです。別に腹黒王子に気に入られたいとか思ってないし。かえって嫌ってもらった方が喜ばしいことだし。
だけどなんかムシャクシャする。
「随分とおとなしくなったな」
「べつに」
エレベーターは30階に到着した。これって上層階じゃないの。この男、顔だけじゃなく生活水準まで上級なのか。
お邪魔した部屋は当然のように広く綺麗に片付いていた。女の私の部屋より綺麗なんてやはり嫌味な男だ。