囚われる心と体
「嘘つき」
「ひいっ!」
後ろから急に耳元で囁かれた私は跳び跳ねた。振り向けば腹黒王子は上半身は裸で肩にバスタオルをかけ下はスウェットを履いていた。
てか、近い近い。それに裸なんて目のやり場に困る。彼の姿から目線を外し必死に後ずさった。
が、背中がソファーに当たりそれ以上は下がれない。腹黒王子はさらに私との距離を詰めてくる。ソファーと腹黒王子に挟まれ逃げ道はない。
「なんで本当のこと、言わないわけ?」
「べつに。貴方には関係ないです」
「やましい気持ちが無ければ本当の事を言えるだろ」
「なっ…!強引に連れて来たのはそっちでしょ!」
「そうだっけ?」
この男。どこまで食えないやつなんだ。なんで私ものこのこと部屋に着いてきちゃったんだろう。今になって後悔が押し寄せる。
そうだ。今からでも帰ることは出来る。なんでもっと早く気づかなかったのか。腰を上げた私の肩に腹黒王子の手が置かれ力を込められると立つ事が出来なくなった。