囚われる心と体
次の日の目覚めは最悪だった。昨日の夜は悶々としてなかなか寝つけなかったからだ。こんな自分は初めてで戸惑っている。
だけど相手はあの腹黒王子。騙されるな、由愛。ネコが捕まえたネズミを弄ぶようにあいつは私で遊んで面白がっているだけだ。
「おはようございます」
「あぁ。おはよ」
朝の陽射しが差し込むリビングで優雅にコーヒーを飲んでいた腹黒王子。他の女性が見たら惚れ惚れしてしまう姿なんだろうが、私にはどう見ても黒オーラを纏っている胡散臭い男だ。
「よく眠れたか?」
「…ええ、まぁ」
「ふーん。そのわりにはクマ作ってるな」
「それは、枕が変われば熟睡出来ないのは当たり前です」
「なるほどな。もっと慣れてもらわないとダメってことか」
は?いまなんて言いました?理解しがたい言葉を聞いた気がするんですが…。ダメだ恐ろしすぎる。考えないようにしよう。とにかくここから早く脱出したい。