囚われる心と体


昼休み。
私は引きずられるようにして紗耶香から拉致された。彼女からの視線が痛くて顔を見れない。そんな私の様子を見て確信したらしく紗耶香は単刀直入に聞いてきた。




「で、沢井卓人と何があったの?」




「……」




「ちゃんと聞いてあげるから白状なさい」




紗耶香のこういう男前な性格が大好きだ。私の悩みをいつも聞いてくれて的確な言葉をくれる。ありがたい親友だ。




「実は…腹黒王子の部屋に成り行き上泊まったの。だけどエッチはしてないよ。キスはされたけど…。そして今夜も会う約束させられた」




「ふーん。あのさ由愛。完全にアイツの術中にハマったわね」




「え…そうなの?」




「あんたは甘いのよ。アイツが由愛を狙ってた事ぐらい気づいてたでしょ。犯されたって文句は言えない状況だったのよ。もっと自分を大切にしなさい。ま、あの男が紳士だった事が不幸中の幸いね」




紗耶香様からしっかり説教されてしまった。だから言えなかった。腹黒王子から触れられて感じてしまったことを。嫌いな男なのに受け入れてしまいそうになった自分を呪いたい。

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