囚われる心と体


「じゃ次。高梨にはなんて言ったわけ?」




「え、高梨?」




「そう」




「高梨には家にちゃんと帰ったって嘘ついちゃった。なんだか本当のこと言えなくて」




「それはいい判断だったわね。アイツに泊まった事バレちゃダメよ」




「なんで…?」




「はぁ…あのさ由愛。あんたはどこまで鈍感で恋愛ベタなわけ?あーもういい。とにかく高梨には黙ってなさい」




また怒られた。私の恋愛ベタは確かに認めるけど鈍感なつもりはさらさらない。私は純粋に白馬の王子を待ってるだけなんだけどな。




その日の夕方に内線が入った。番号を見れば例の男って事が一目で分かる。自分のデスクの電話が鳴っているのに無視する事も出来ず仕方なく受話器をとった。




「はい。石原です」




「沢井です。何時になるかメールするように」




それだけを言って切れた通話。はあー!?何様ですか??頭にきた。こうなったら約束なんか無視してやる。




確かに昨日は迷惑かけたけど、私がお願いして泊まったわけじゃないし腹黒王子に恩をきせられる筋合いはないんだから。




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