囚われる心と体
「いつも送ってもらってゴメンね」
「俺が好きでやってるんだから気にすんな」
頭をぽんと叩いてくれる同期の手が優しい。いつもは軽いくせにこういうところは男らしいんだなって思える。結局アパートの前まで送ってもらい高梨とは別れた。
最初はどうなるかことかと思ったけど楽しく飲めて気分も晴れた気がする。さてお風呂に入って早く寝るとしますか。その時、アパートの階段を登ろうとした背中に恐怖を感じた。
「へー。俺との約束をすっぽかして他の男と遊んでくるとはいい度胸だな」
「ひいっっ」
ブリザードに飲み込まれるぅぅう。恐怖の大魔王降臨だぁあ。
「この前の営業部の男か…」
「言っておきますけど、私は沢井さんと食事に行くとは一言も言ってませんから」
「子供じみた言い訳してんな。行くぞ」
どこに?と聞ける暇もなく車に押し込められ着いた先はやはり腹黒王子のマンション。そして私は只今キッチンに立たされヤツの食事を作っている。
腹黒王子はお風呂に直行した。なんでも私を待っている間に体が冷えてしまったらしい。そしてご飯も食べ損ねたのは私のせいだから作れという命令が下ったのだ。