囚われる心と体


お風呂から上がるとソファーで煙草を吸っていた腹黒王子。私がリビングに入って来たのを見ると灰皿に煙草の火を揉み消した。




スッと立ち上がった彼は寝室の扉の前で振り向くと私に無言の圧力をかける。しかしそれでも動かなかった私に痺れを切らしたようで、私の手首を掴むと強引に寝室に押し込んだ。




ベッドですでに組み敷かれている私。え、ちょっと待って。この状況どう考えてもおかしいし、マズイよね。




「ちょっ、沢井さん。これってどういうつもりでしょう?」




「は?お前、まだそをんなこと言ってんの」




「だってこんなことされる意味が分かりません。女に不自由してないですよね?」




「ったく、お前は究極の鈍感女だな。ま、いいさ。いつまで冷静でいられるか楽しみだ」




すぐさま熱く激しく唇が奪われまたもや反論は言えなくなった。前も思ったけどこの人はキスが上手い。なんなく私の舌を捉え翻弄する。




長いキスからやっと解放された唇が名残惜しく思ったのは気のせいか…。潤む瞳で腹黒王子を見上げた。




「抵抗しないってことは先に進んでいいってことだよな」




「抵抗出来なかったのは沢井さんが押さえ込んでるからです。好きでしてるわけじゃありません」




「いつまで経っても減らず口は変わらねーな」


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