【完結】Re-love 〜二度目の恋はあなたと〜


地理のノートの悲惨な状態を見てしまった黒谷は、昼休み杉村を問い質そうと捜していた。



『杉村!ちょっと』


黒谷は、廊下を一人で歩いていた杉村を呼び止め、屋上へ連れて行った。


屋上のドアを開けると、眩しいくらいの太陽と青い空が目の前に広がった。


「黒谷くん一体何?まさか、告白?ごめんね、黒谷くんもかっこいいんやけど、私には眞中くんしかいないから」


―――誰がお前なんかに告白するか!付き合ってもないのに彼女面か?相手にもされてないやんけ。


「その眞中も絡んでるんやけどな・・・」


一瞬、杉村の顔が曇り、今から言われることがわかったように怪しげな笑みを零していた。


「何?」

「お前、岡崎さんのノートに落書きしたやろ」

「もうあの子、黒谷くんに泣き付いたん?」


杉村の歪んだ笑みはさらにひどくなり、醜い顔となっていた。


「岡崎さんは何も言ってない。それより、あんなことやめろよ!」


冷静に注意した瞬間、杉村は怒り狂ったような表情と口調で罵った。


「あんたがさっさと岡崎杏子を手に入れへんから悪いんやろ!」


杉村が口にしている言葉にの黒谷は目の前が真っ暗になるような気がした。


「お前・・・」


「あんたがしっかり捕まえてないからやで、あんたのせいでもあるんやから!」



理不尽なことを並べる杉村の目は、何をするかわからないというような冷酷な悪魔のようにしか見えなかった。



「とにかく・・・」


「私はやめへんからね!」


黒谷が話すのを遮り、強い意志――間違った意志――を宣言した。


憎たらしい顔で杏子への憎悪を爆発させる杉村が、次に発した言葉は黒谷の顔をさえも歪ませた


「手を組まへん?」

「はぁ?」



―――何を企んでるんや?


「岡崎杏子がひどい目にあってるところを助けたら、黒谷くんのものになるんじゃない?」


「ひどい目って、何をするつもりや!」

「たいしたことはするつもりはないよ。でもね、岡崎杏子のことを気に入らない子は結構いるからね」


そう言って笑う杉村は本当に冷酷非情な悪魔にしか見えなかった。


「そんなことやめろって!」


「やめへんよ!守りたいなら、あんたが守ったらいいやん。作戦を実行する日は教えてあげるから、助けに来たらいいやん」


「・・・・・・」


「ね?いいと思うけど?あんたの大事な岡崎杏子は助かるし、それに手に入れることができるんやで?」


「・・・・・・」


「じゃあね。もう昼休み終わるから行くね」


「・・・・・・」


「いいこと教えてあげる。ゴールデンウィーク中だったかな、私見たのよ。岡崎杏子ね、眞中くんにキスされて泣いて、逃げ出したんやで」



そう言うと杉村はそそくさと屋上から出て行った。



―――キスされて泣いてた?あいつに無理矢理されたんか?眞中健一、絶対に許さん!



一人で屋上に取り残された黒谷は、フェンスにもたれ掛かり、拳を握り締め、目を閉じ、歯を食いしばっていた。




一日の授業が終わっても、黒谷はもやもやした気持ちのままだった。


―――俺は・・・どうしたら・・・。


黒谷があれ以上言ったところで杉村が引くとは思えなかった。それなら、黒谷は、自分が杏子を守ることを心に決めた。



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