図書館からはじまる
俺は、のっぽさんが気になって、待つことにした。
でも、どこから出て来るんだ?
図書館の周りを回ってみる。
ここかな?と思うところで待ってみる。
俺、ストーカーか…
でも、衝動的に謝らないといけないと思った。
15分ぐらい経って、のっぽさんは女性と一緒に出て来た。
女性は気を遣ってくれたのか、「では、私は先に帰ります」と言って帰って行った。
「あの、のっぽさんごめんなさい。なんか俺、気に障るようなこと言ったよね?」
「…」
のっぽさんは何も言ってくれない。
「あっ、瞳子さんごめんなさい」
「言い直さなくてもいいです」
「ごめん」
「ふふふ」
のっぽさんは、急に笑い出した。
「え?」
「だって、太田さん、さっきから謝ってばっかりなんですもん」
「ちゃんと謝らないといけないと思って、本当に申し訳ありませんでした」
「また…ふふふ」
「あ…」
「大丈夫ですよ、慣れてますし」
「身長のこと?」
「はい。身長のことも、部活のことも、のっぽさんも」
「そうだったんだ」
「ありがとうございます。今までそんなに謝られたことなかったし。
太田さんが、そんなに誠意のある方だと思っていませんでした」
「誠意なのか?自分でもよくわからない」
「そうなんですか?でも、ちゃんと伝わりましたよ」
「よかった。怒ってない?」
「はい」
「駅に行くの?」
「はい、私は自転車で駅の方へ行きます」
「そっか…じゃあ、途中まで一緒に帰らない?」
「わかりました。自転車取りに行って来ます」
何故か、俺はのっぽさんを誘っていた。
さっきから自分でもわからない行動をしている。
「お待たせしました」
「家近いの?」
「自転車で、10分ぐらいです」
「じゃあ、結構近所かもしれないね」
駅まで一緒に歩いた。
「私、こっちなので」
「あっ、じゃあまた」
特に、これといって話しはしていない。
ただ、印象に残ったのは、のっぽさんの笑顔だった。
引き込まれるものがあった。