秘密が始まっちゃいました。
それから1ヶ月と少し……、
年の瀬の迫るある夜の話。


「ただいまぁ」


玄関で彼の声が聞こえた。

おたまを小皿に置いて、私は声を張り上げる。


「おかえりなさーい」



と言ってもここは彼、薫さんの部屋なんだけど。

最近居座っていることが多い私は今日も先に帰って夕食作り。
薫さんがリビングに入ってきた。


「今日のメシなに?」


コートとスーツの上着をソファに放り投げて、いつものように薫さんがキッチンにやってくる。


「アジの開きとお味噌汁と、実家からどんこ椎茸と里芋が来たんで、煮物ですよ」


「相変わらず安定のおばあちゃんメニューだな」


妙に感心した声で薫さんが言う。
私は彼を睨み答えた。


「文句があるなら食べなくてよろしい!」
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