マー君2(原作)
<5>

俺がこのクソ中学校に来ることになったのは、クソ親父のせいだ。

親父は傲慢で人を信じず、自分のことしか考えない。

俺には才能があった。

元々俺は名門私立中学に通っていた。

いや通っていたといっても一ヶ月ぐらいだ。

クソ親父がこの田舎に転勤にならなければ、俺はそのまま名門中学に通っているはずだった。

しかし、親父は俺を信じられなかった。

俺を一人にしたくない、そういい無理矢理自分の意見だけ通し、名門中学を辞めさせられ、このクソ中学校に転校。

笑えるのはその後だ。田舎とあって、中学校はこのクソ中学校だけ。

いくら才能があろうと、頑固な親父は耳を貸さない。

皆が一緒にいればいい?

ふざけたことをほざく。

何が皆だ。

家族だ。

家族なら息子を信じ、理解し、転勤なんかで名門中学校を辞めさせるべきではなかった。

なのに−−。

絆−−。

そんな目に見えない繋がりに、なんの意味があるというのか?

親父はただ負けたくなかっただけだ。俺に。

そうあいつは俺に、俺の才能に嫉妬していたんだ。

だから、俺を無理矢理−−。
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