マー君2(原作)
おまけに、最近は仕事がうまくいかず、俺に当たる様。

俺が嫌いだからこんなことをするのだろう。

絆とか、そんな目に見えない不確定要素が生み出した結果だ。

だから、人は人を理解できないという。

俺が親父を嫌いになり、いずれ親父も俺を嫌いになった。

負から負が生まれ、正は消え失せた。

今の俺は理解しあえるという偽りの言葉により、生じた結果なのだ。

「信じるか−−」

一樹は授業をサボり屋上に来ていた。

屋上では高いフェンス囲まれ、初夏の暖かさを込めた陽射しを満面に受けていた。

「俺は嫌いだな」

一樹は空を見上げるように屋上に寝そべっていた。青空がどこまでも続き、視界に眩しい日差しが突き刺さる。

「なんで、こんなことになったんだろう? これが、俺が望んだ世界ならここまで苦しむことはないのに。だが−−」

これは望んだ世界ではない。

作られた偽りの世界だ。親父によって。

あいつを思い出すだけで怒りが沸いて来る。

抑えようにもアドレナリンが−−。
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