おかあさんになりたい。 ~天使がくれたタカラモノ~
気がすむまで泣くと、眠気がおそってきて呼吸が楽になった。


呼吸が落ち着くと、看護婦さんは陽にもう大丈夫ですよ。と話しかけ、部屋を出ていった。




眠りに落ちる中、陽が手を握ってくれてた。
あったかい手。
ずっと握っててくれるように、私も握り返した。
その手のあたたかさだけが、空っぽの私が唯一、誰かに繋がりをもっている証だった。


もう誰とも離れたくないよ……





安心すると、深く、深く……
眠りに溶けていった。












ブブブブ…ブブブブ…


携帯のバイブの振動で目が覚める。

「……電話…?」

「麻那…今はいいよ。休みな。」

「……うん…」

陽に返事をしながら携帯を取り上げる。

確かに電話に出られる心境にないけど、着信の主だけ確認しとこう。

画面の名前を見て、動きが止まる。



「あ………」



電話の主は………

お母さんだった。

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