おかあさんになりたい。 ~天使がくれたタカラモノ~
ブブブブ………ブブブブ…


まだ鳴り続けているバイブの音。


なんで………お母さんからこのタイミングでかかってくるの…


ブブブブ………プッ!

なぜだか思わず…受話ボタンを押してしまった。


「あ………」


電話をとってから小さな後悔。

こんな……流産、入院に手術後のこんな状況で…普通に話せるわけがない。


どうしよう。


「……もしもし…」



急に電話に出た私に驚きながら見守っている陽の横で、おそるおそる話し始めた。



「ああ、麻那?どうなの?元気にしてるの?」




お母さんの声……

お母さんの声だよ………

全てが変わったこの状況で変わらないのはお母さんのこの声だけ…




喉があつくなる。

目が暖かい何かで、視界が見えなくなっていく。



小さい頃のように
「おかあさ~ん!!」
って泣きながら駄々をこねたかった。




「……うん。」


いつものように、お母さんの他愛もない話を聞ける余裕はなかった。





「お母さん………あのね……………。」










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