おかあさんになりたい。 ~天使がくれたタカラモノ~
「………………え………」




お母さんは、私の話を聞いて声を失っていた。



そうだよね。
元気だけがとりえだった私が入院や手術をすることなんて、考えられないよね。



いつもはおしゃべりなお母さんなのに全然声が聞こえない。

お母さんに似ておしゃべりな私も、ゆっくりと少ない言葉で今の状況を伝えた。




「病院はどこなの?病院、何時まであいてるの?」


やっと出てきた言葉を何回も繰り返す。
何回も、何回も聞いてくれた。




お母さんに会いたかった。

でも今会ってしまったら…私は私じゃいられなくなる。



泣いて、泣きじゃくって、子どもみたいに
「なんでダメなの?」
「やだ、やだ、やだ!!」
ってお母さんを困らせて。


そんなのやだから。
わたしだってもう「おかあさん」だから。



そんなとこ、お空の天使に見せられないよ。



「入院も今日までだから。手術も昨日終わったから大丈夫。」


って…ウソついた。



「今から行こうか?病院どこなの?」


まだ引き下がらないお母さん。



やめてよ…。
泣いちゃうから…。



私のことを心配してるお母さん。
空っぽの私なのに。

もう私しかいないのに、それでも会いにきてくれるの?



「なんで…なんで麻那が…」


苦しそうに呟いたお母さん。




あ…
同じだ…
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