おかあさんになりたい。 ~天使がくれたタカラモノ~
「血腫は……この前より小さくなってきていますね。」


先生はまず赤ちゃんの隣にある血腫を見始めた。
大きさを測ったり、角度を変えたり…



私はその隣の赤ちゃんを見つめる。




違う………

いつもとは何かが………





言い知れぬ不安が私を包む。
たまらず先生に声をあげる。



「赤ちゃんは元気ですか?」

「今、見てみますね。」



パッと赤ちゃんがズームされた。





……違う………


違うよ……………



信じられない気持ちが体を凍りつかせる。
息が詰まって、呼吸の仕方を忘れたみたい……




画面には…


時の止まった………


ピクリとも動かない赤ちゃんの姿があった……
………………





「………………」



どうゆうこと…?


いつもは動いてるじゃん…

なんで少しも動かないの?



画面は静止画のようにただ、その姿を写している。
ビデオを一時停止した時のように。
時が止まってしまったかのように……




「…………おかしいな…」


それまで角度を変え、大きさを変え探してくれていた先生が言葉をもらす。



長い沈黙。
エコーを見ながらカチッカチッっと、心拍を探す機械の音だけが響く。


私は……ただ祈りながら…先生の言葉を待つしかない…。





残酷すぎるその宣告を…










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