おかあさんになりたい。 ~天使がくれたタカラモノ~
ミーンミンミンミン………


セミが鳴いてる。

今は夏の季節だったんだ…





フラフラと帰巣本能だけで自宅に向かって足を進める。


「……………………。」

帰っても、意味ないな。





道路の向こうにバスが見える。


動き出すこのバスの前に飛び出したら……私ははるちゃんのもとに行ける………?




恐ろしいことが次々に頭に浮かぶ。



もう…会えないなら………会えないならいっそのこと………







考えてしまった恐ろしいことに涙が滲みそうになる。



ふと鞄を見ると携帯のランプが点滅してる。
陽からのメールがきていた。



【今日は早く帰れるよ。晩ごはんなににする?】



いつものメール。
つらい現実の世界だけど、私をこの世界に戻してくれた、陽のメール。



目の前が歪んできた。
座席に倒れるように座り、一言だけメールをうつ。



【ごめんね。】
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