おかあさんになりたい。 ~天使がくれたタカラモノ~
子どものようにワンワン騒いで泣きじゃくった。
目があかなくなるくらい涙を流して、喋れなくなるくらい泣き声をあげて。



陽に抱きついたまま、ただ泣くだけしかできなかった。



食事をとるのも忘れて、時間だけが過ぎて……。
泣いてるのか、しゃべってるのかわからない声で話をした。


悲しくて
ただ悲しくて。








私は初めて陽の涙を見た。






涙を見せたことない陽が、小さな声をあげて泣いていた。



感情を見せるのはカッコ悪い…なんて言ってた陽が。


カッコ悪い泣き顔つくって泣いていた。





「カッコ悪いな…。」

二人で泣くだけ泣いて、泣きつかれて天井を見上げていた。



「カッコ悪くなんてないよ。」

涙を受け止めていたタオルはビッショリ濡れていた。

こんなに体内から水分出しちゃって平気なのかな…?




「食べよう…ご飯。麻那まで体壊しちゃうだろ。」

そういえばお昼ご飯も食べていなかった。




「うん………はるちゃんが…一緒にご飯食べれるのもあとちょっとしかないから…」


せっかく止めた涙がまた喋りながら溢れだす。






つわりが長くて子どもの好きそうなお菓子やケーキは食べれていなかった。
はるちゃんのためにケーキを食べてあげたくて、陽に頼んで買ってきてもらった。



「これしかなくて………」


悔しそうに、泣きそうな顔で買ってきてくれた
オレンジの入った大きなフルーツパフェ。

甘酸っぱくて、苦しくて、切なくて…


泣きながら必死に食べた。

あなたに届くように…。



今度はきっと…
パパがとびきり美味しいケーキを買ってきてくれるから…

楽しみにしててね。


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