三行ラブレター


「精々ばれないように気をつけて下さいね」


学校のアイドル教師がいなくなったら女の子泣いちゃうんで。


そう付け足せば店の前に着いた。
坂田は意外そうな顔を浮かべて口角を上げた。


「心配してくれんだ?」

「ええ、坂田先生が結婚できるのかどうか」

「俺、好きな奴にはけっこー一途だぜ?」
「どうだか」


肩を竦めれば目ぼしいものを選び、それを買った。

「日向には買わねーの?」と問いかけられ「もう用意してあります」とだけ言う。
何を、とは決して言わない。

クリスマス前に日向に言われたら嫌だし。


店を出れば寒い空の下体を伸ばした。
コートをきているが中は制服で何処となく寒い。


「坂田先生は」


そう言いかけた時だった。



「次は俺に付き合え」
「はい?!」


急に腕を引っ張られ、近くにあった洋服店へと入室した。

女性物で坂田の着れるような服は何もない。
何か探しているかのような仕草で辺りを見渡す坂田。


突然の来訪者に店内はひそひそと声が響いた。

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