神様のおもちゃ箱

「……ごめん」


“あたし……迷惑?”


誰に対してのごめん?


“望乃のこと悲しませちゃだめだよ”


わけわかんね。


弱弱しい返事。

なよなよしい俺。


「何で、健吾なんだろうね」


そう、何で。


輪が望乃に向けた視線が、あまりにも優しくて、切なくて、

本当に望乃のことを愛しいって想ってる奴がする目で、何だか胸がぎゅっと狭くなった。


「けん……ごの…ばかぁ……」


望乃が小さく寝言を呟いた。


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