白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】
「方策はいくつでも考えなさい。考えて、答えが決まらないくらい考えなさい」
「はい」
俺はまた、深く肯いた。
「いい返事だ。出来たら、将来のことも見据えて考えてみなさい」
「……はい」
「では弟御――雅風くんと言ったかな? ここに居る間に少しは働いてもらおうか。
うちの食事の一切はトキさんが取り仕切っているのだが、毎日その買い物につきあいなさい。荷物持ちです。いいかな?」
「あ、はい。それなら今までと変わりありません」
今までも買い物は俺担当だったから。
「ほお? それはよい」
教授は好々爺然と肯いた。