白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】


「……た、滝篠教授って……すごくおじいさんですよね……!」



「……?」




あれ。


俺今、すごくトンチンカンなことを言ったような……。



「あああ違うんですその! 貶(けな)したわけじゃなくて教授がすごくいいおじいさんで――なんかもう理想像みたいな感じで――」



必死に言い繕っていると、教授が吹き出した。





「ははっ、いやすまない……。うん。君はいい子だな」



鷹揚に笑う教授からは、嫌なことを言われたとは感じていないようだ。



「あ、俺の性格は理波ちゃんのおかげです。昔っから俺が馬鹿やるとすげえ怒ってくれたんで……。

だから、いい子なのは理波ちゃんなんです」




……今だ。今かもしれない。




「滝篠――壱晴さん」



「うん?」



「……姉を、よろしくお願いします」




いつ言おうか迷っていた。



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