白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】
親に代わって、俺から言っておこうとは決めていたこと。
頭を下げる俺に、滝篠教授は小さく返事をくれた。
「勿論。大事な我が家の嫁御だ」
……嫁。
もう理波ちゃんをそこまで言ってくれるのに、どうして自分の娘には……。
「……教授、」
「娘のことか? 何故反対したと」
読まれていた。
俺は小さく「はい」と返した。
「……当時、娘にも相手にも恋人がいたんだ」
「え……」
「お互い、浮気をしていた。十五、六の歳でもう、な……。それがお互いの恋人にばれてかなりの騒ぎになったんだ。
私も親として――人間として、そのような恋愛を肯定することは出来なかった。
結果がああなって、愚かしいのは……誰だったのか………未だにわからんよ…」
滝篠教授は瞳を細めて庭を見遣る。
正しい、ではなく、愚かしいのは……。