白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】


訊くなら、多分今だ。



「壱星は、親のことを知っているんですか?」
 


訊きにくいこと。



壱星にも、教授にも……。



でも、訊かなければいけないこと。



俺の当て推量で答えは決められない。





「知っておるよ」



「……話したんですか?」



「いや、壱星に対して話したのは、母も父も亡くなっているということだけだが、こういう話に戸は立てられんでな。

育ってくる環境の中で知ってしまった」



「……そう、ですか……」
 



知っているんだ。



壱星は、捨てられたことを。



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