白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】
ずっと追いかけまわすのはさすがに刹那に申し訳ないと思うし、俺もメンタル的に疲れてきていた。
ここまで嫌われているんだったら、嫌われたまま話しかけも関わりもしない方がいいんじゃないかって、一瞬思ってしまったのが嫌で一時退避中だったのだ。
俺が呼ばれたのは、いつも放課後は図書室にいて、図書委員や司書さんと顔見知りだからだ。
人手がいるけれど、今の時期は結構学際準備に追われて、委員会の仕事に出て来られない生徒がいるらしい。
愛璃と俺は同じクラスで、《移動○○○》という内容極秘のイベント――コードネーム《三人の委員長》
(名前はいろいろ飛び出したのが混じった結果これになった。もう原型留めていない。俺も時々意味がわからなくなる)
――をするので、準備は秘密裏に進めている。
お化け屋敷なんかの出し物や喫茶店のように準備するものが多くないので、自由に出来る時間は結構あった。
必要なものは秘密の時間にみんなで用意している。
「雅風さあ、刹那がすきなの?」