白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】


昼休みの図書室はそこそこの賑わい。



貸し出し用のシールを貼ってから棚に並べるらしい。



俺と愛璃でシール貼り、他の委員が並べている。




「何で?」
 


俺が刹那をすきに見えたのか? 
作業を続行しながら問う。




「いや……何で、って……。雅風、刹那のことずっと追いかけてるから」




「それは刹那が無視しまくるからいっそ話してみたいと燃えてるだけだ」
 


かなりの勢いで燃えていたぞ。
三分ぐらい前にさっきのことを思うまでは。




「逃げられると追いかけたくなるの典型ねー」




「そだな」



「じゃあ別にすきだから追いかけてるわけじゃないの?」




「ないない。昨日逢ったばかりの奴に惚れるほど惚れっぽくないし」



「ふーん?」
 




愛璃は含みのある肯きをした。




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