ダレにも負けないぐらい愛してやる



『どうして?』

「・・・陽織の声が聴きたくなったから」

響さんは、私の顔を見つめ両手を前に持ってくると頬をクネっと抓った。


イ、イタイ・・・

ちょっとだけ笑い、響さんを見つめると笑っていた。笑ったのは、久しぶりだった。いつ頃から笑わなくなったんだろう?


大人は、嘘つきだって知った時からかもしれない。響さんは、嘘つきな大人じゃないよね?

この人になら、すべて話してもいいと思った。

だから笑った後PCに向かって、少しだけ今までの事を打ち込んでいき終わった頃には、響さんは微笑み両手でぎゅっと抱きしめ


「大人全員が嘘つきじゃない、少なくとオレは、嘘をつかない」


嬉しかった、初めて合った人なのに優しくて、いい匂いがする人。





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