ダレにも負けないぐらい愛してやる



今度は、響さんから質問された。帰る所が無いって言えば襲われるかもしれない。でも響さんなら...。


PCに視線を落としローマ字を打っていく。『帰る場所が無いの。もし・・・イヤなら帰れって言って』


響さんは、眉を顰(ひそ)めPCを見つめてから私に視線を落とす。


「言う訳ないだろ、明日は、どうするんだ仕事とかないのか?」

コクリと頷いた。

「質問したいんだけど・・・いいか?イヤなら全身で否定しろ!耳が聞こえるって言う事は、喋れないって訳じゃないよな?どうして喋らないんだ?」


響さんの瞳が私の胸の奥を覗いたような気がした。喋りたくない訳じゃない喋りたくても喋れない。


数か月前、突然声が出なくなった、理由は。










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