恋じゃなくてもイイですか?


後日、出国を1週間後に控えた桐生くんの、門出を祝う会が行われた。


場所は以前、サークルの飲み会を開いた多国籍ダイニングで、その時と同じメンバーが集まり、桐生くんを主役にお酒を飲んだ。


天井からぶら下がる緑や黄色の電飾に、ネオンが散りばめられたメニューの看板が光る暗めの店内、円卓を囲むようなソファ席に、今日も通してもらった。


幹事役の結芽は、今日もデカンターを片手にサングリアを次いで回り、ハルニレは隣の席で、相変わらずナチュをチビチビとリスのように食べていた。


会は大いに盛り上がり、他のお客さんを巻き込んでの三々七拍子でお開きとなった。


今日は二次会には繰り出さず、その場で解散となった。


同じ家に帰るハルニレと私は、途中まで方向が一緒な桐生くんと駅の構内を歩いていた。


おそらく出発前の桐生くんと会うのは、今日で最後であろうと踏んでいた私たちは、反対方向の電車に乗る桐生くんを見送る事にした。


「今日はありがとう。すごく楽しかった。やっぱり、仲間で集まるのっていいね」


ほろ酔いの桐生くんは満面の笑みでそう私たちに告げた。





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