擬態化同盟 ~教師と生徒の秘密事~



3階まで上がり、演劇部の部室のドアを結城君が開ける。

柏木さんは結城君の肩越しに「こんにちはー」と良く通る声で挨拶をしながら部室に入って行く。

ちょうど、教室の隅に机は追いやられ、その中心で部員達が立って演技の練習を行っているところだった。

一斉に振り返った部員達は目を輝かせながら私達の前に集まって来て、勢い良く頭を下げるので圧倒された。

「ありがとうございます。生徒会の皆さん!芹沢先生!」

「ご迷惑おかけして、すみませんでしたっ」

1番深く頭を下げていた女子部員の右手が包帯に包まれていて痛々しい。

この子が例の怪我をした衣装係なんだな・・・。

顔を上げた衣装係の子が涙目になっていて、すがる様に私のことを見つめている。

「任せてよ」

その子に視線を向けてから、集まっている部員達を見回して微笑むと再び一斉に頭が下がり「ありがとうございます」とぴったり合った声が廊下にまで反響した。


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