今さら恋なんて…



「龍哉…」


「はい?」


「カッコイイね」


「…え?」


「……」


「……」

流れる沈黙…。


次の瞬間、あたし達の頬は今さら、と思いながらも赤く染まる。


カウンターチェアーの上、黙り込んだあたし達に、

「…おやおや。酔ってしまわれましたか…?軽めのカクテルをお作りしましょう」

って、羽生くんは笑って、そう言ってくれる。


そして、カンパリ、オレンジジュース、グレナデン・シロップをシェークしたものを、クラッシュド・アイスが満たされたシャンパングラスに注ぎ、そのグラスをスパークリングワインで満たす。


バースプーン軽く混ぜ合わせた後、そっとグラスを差し出してくれた。


「“プリメーラ”でございます」


羽生くんの笑顔に、思わずほっとして、

「…ありがと、羽生くん」

って呟いたあたし。




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