今さら恋なんて…



「……」

ツキーン、ってこめかみが痛んで、あたしは夢の世界から現実に戻ってきた。


「…いっ…たぁ…」

うずくまる様に体を動かすと、柔らかくシーツが鳴って、清潔な香りが漂った。


「……」


…あたしが使ってる柔軟剤の匂いじゃない。


その事実に、さぁっ、と一気に残っていたお酒も吹っ飛んで、あたしは恐る恐る目を開けた。


「……」


薄暗い部屋。

グレーのストライプのリネン。


知らない匂い。


…ベッドの中にも、部屋の中にも、人の気配は、ない…。


ボサボサになった黒髪をそのままに起き上がると、部屋を見回した。


「……」


あたしの部屋じゃない。


それは分かったけど…ホテルでもないし…ここは、どこ?



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