今さら恋なんて…
…口さえ開かなきゃ…ドキドキするほどスマートないい男なのに…。
「…何だよ。今さら俺に見とれてんの?」
「……」
ほらみろ。
口を開けばこれだもん。どれだけの自信家なんだか…。
…だけど…そこも嫌いじゃない。
「…うるさい」
あたしがそう憎まれ口を叩いても、
「うるさい、って何だよ。おもしれぇやつ」
ってシゲハルはくすくすと笑うと、止まったカゴからあたしを連れ出した。
「…どうぞ」
鍵を開けたシゲハルは、あたしを部屋に通してくれた。
「……」
相変わらず悔しいくらいにジェントルマンだわ。
文句を言いたくなる口を閉ざしたまま、家に上がろうとすると、
「靴、脱がせてやろうか?」
なんて、挑戦的な言葉が飛んできた。