今さら恋なんて…



「…いいよ。お前が潰れるまで飲ませたのは俺だから」

シゲハルは携帯灰皿をポケットにしまうと、そっとあたしの頭を撫でる。


「……シゲハル」


「ん?」


「ごめんなさい…」


「それはもう聞いた」


「違う…今朝も…」


「ん?」


「ふて腐れてて…ごめんなさい」


「…気にすんな。お前が素直すぎると怖い」


「は?」


「いつも通りにしてろ。調子狂う」


「…この屁理屈親父」


「そうそう。それそれ」

ギロリ、とシゲハルを睨んだあたしを、シゲハルは大きな声で笑い飛ばす。


「俺は5年も待ったんだよ。そんなに今さら焦らなくてもいいだろ?」


「……ん」


「んま、つーが“ガマン出来ない”っつーなら考えてやってもいいけど」


「は?」


「だから、今から抱い…」


「うるさい、変態親父」

あたしはシゲハルの脛(スネ)にヒールで蹴りを入れる。



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