今さら恋なんて…
「いっ、てぇっ」
シゲハルは声にならない声を上げて飛び上がる。
「な、何すんだよ、このっ」
「ちょっと蹴っただけじゃん」
「てめぇ」
「彼女に向かって“てめぇ”って言うんだ」
「…あ、わ、悪ぃ…」
「ぷっ。本気で謝ってるし」
「な…」
「ほら、マスターのとこ行こうよ」
「……」
「飲まないの?」
「…飲む」
シゲハルはそう言うと、そっとあたしの手を握った。
「…シゲ…」
「ほら、行くぞ」
シゲハルはそう呟くと、あたしを連れて歩き出した…。