今さら恋なんて…
「何でよー。可愛くないなぁ、おーちゃんは」
「可愛くなくて結構ですよ。普段から色気ありすぎるんですから、ちょっとくらい抑えてください」
「……」
思わず唇を尖らせる。
「おーちゃん、強いねー。店長に口で勝てるってすごいよ」
守本はケラケラ笑いながら手を叩く。
「…守本、黙れ」
央輔に髪をブロッキングされながら、あたしは低い声で呟く。
「……すみません」
首を竦めた守本は、小さくなって黙り込んだ。
「…俺のことは“おーちゃん”で、智青のことは“守本”なんですか?」
央輔はあたしの髪にアイロンを滑らせながら、そう首を傾げる。
「本店の店長はスタッフを名字で呼ぶようにしてた。だから…そのクセが抜けないのよ。それに、守本が右も左も分からない頃から知ってるのよ?今さら名前で呼ぶなんて…鳥肌立ちそう」
思わずブルブルッ、と体を震わせると、おーちゃんは苦笑いを浮かべる。