今さら恋なんて…
「……」
な、ななな何てスマートな動きっ。
思わず呆然と龍哉を見上げている間に、あたしの体は室内に引き込まれ、閉じられたドアの中、部屋に明かりが灯った。
「りゅ…龍哉…?」
思わずカクカクと震える様に龍哉を見上げる。
すると、一度あたしから手を離した龍哉は、
「もう、帰るの面倒じゃないですか?泊まっていきましょうよ」
なんて、2人分のコートをハンガーに掛けながら涼しい顔で言う。
「……」
な、何言ってんの?
「あ、いや、えっと…」
動揺したせいで、一気に忘れていた酔いが蘇ってきたあたしは、再び龍哉に腰を取られながら騒ぎ出す。
「どうしたんですか?…せっかくスイートルームにしたので…部屋見ませんか?」
龍哉はけろっ、とした顔でそう部屋の奥を指さす。
「ス、スイート?」
あたし、こんなところに泊まるお金持ってない…。