今さら恋なんて…
「……9時半、ですね…さすがにお腹空きました」
龍哉は腕時計を眺めると、そう言って自分のお腹を擦った。
「……ごめん。あたしが起きるの待ってたんだよね…?」
あたしは思わず青ざめてそう訊いた。
「まぁ…それもありますけど…ちゃんと司さんが眠れたかどうか心配でしたから」
「……イケメン発言ばっかりだね、今日…」
「そうですか?…でも、まさか司さんに“酔ったら脱ぐクセ”があるとは思わなかったですよ…」
「……」
意地悪な笑みを浮かべた龍哉にそう言われて、あたしは思わずその顔を睨む。
「怒らないでください。さぁ、美味しいもの食べに行きましょう。俺、司さんのこと心配しすぎて、めちゃくちゃお腹空いてるんです。…あ。そうだ。朝ご飯は司さんに御馳走になろうかなぁ…いいですか?」
龍哉がくすくすと笑いながら、まるであたしを手のひらで転がす様な発言をするので、思わず悔しくなりながらも、あたしは、後ろめたさのあまり、
「……分かった…好きなだけ食べなさいよ」
っておとなしく頷いた…。