今さら恋なんて…



頬張ると、炭火の香ばしさとお肉の柔らかさ、ネギの甘さが口の中に広がって、

「お、美味しい…」

ってあたしは思わず呟いてしまった。


「でしょう?よかったです。気に入ってもらえて」

龍哉も満足そうに頷きながら、そう言ってくれた。


「うん。…あ、付け合わせのキャベツもうま」


「ぷっ…司さん、相変わらず素直ですね」


「うるさいなぁ」


「この前も、カクテルとか次の日の朝食とか、“うま”の連続で、俺、めちゃくちゃ面白かったですよ」


「……」


そう。


龍哉と泊まった次の日。


宿泊者は朝食バイキングが食べられる、と聞かされ、レストランに行ったら…バイキングではあり得ない様な内容の料理ばかりで…食事の間ずっと「美味しい」か、「うまっ」を連発してたあたし…。


…てっきり龍哉は呆れてたのかと思ってたよ…。


あ。結局龍哉に朝ご飯おごれなかったなぁ…。



< 293 / 479 >

この作品をシェア

pagetop