今さら恋なんて…
「観察って認めましたね?」
「いいじゃない。…もう仕事、終わったの?」
あたしは思わずフロントの方を見る。
すると、優しそうなフロント係の男性スタッフが、軽く会釈してくれた。
「はい。“職場で彼女と待ち合わせか?”って突っ込まれちゃいました」
龍哉はそう言って微笑んだ。
「……」
何て答えていいのか分からなくて、思わず龍哉を見上げると、
「俺、今から着替えてきますけど…司さん、どうします?先に行ってますか?」
って龍哉はいつもの感じでそう言って笑った。
「……う、ん…。バーのある階で待っていよう、かな…」
龍哉に振り回されている様な気分になりながら、あたしはそう答える。
「分かりました。じゃぁ、エレベーター乗りましょうか」
龍哉はそう言うと、あたしを連れてエレベーターホールに向かう。