今さら恋なんて…
「うん。あ。彼女と行った?」
「ええ」
「何て呼ばれたの?彼女」
「…確か、最初は“彼女さん”って呼ばれてましたけど…彼女の職業が看護師だって分かった瞬間から、“ナースさん”って呼ばれてました…」
羽生くんはその場面を思い出す様にしながら、そう呟く。
「あはは…やっぱりそうなんだね…。あたしなんて“スタイリストさん”なんてアダ名付けられたよ」
「ああ。前園様、美容師ですもんね…」
「うん。まぁ、龍哉のアダ名よりはマシだけどねー」
「…どういう意味ですか?司さん」
「だって、“フロントマン”とか…」
「笑わないでください」
「ごめん、って」
あたしは笑いながらそう謝る。
「店員さん曰く“フロントクローク”が言いにくかったらしいですよ」
羽生くんまでくすくすと笑いながらそう説明してくれた。