今さら恋なんて…



「うん。あ。彼女と行った?」


「ええ」


「何て呼ばれたの?彼女」


「…確か、最初は“彼女さん”って呼ばれてましたけど…彼女の職業が看護師だって分かった瞬間から、“ナースさん”って呼ばれてました…」

羽生くんはその場面を思い出す様にしながら、そう呟く。


「あはは…やっぱりそうなんだね…。あたしなんて“スタイリストさん”なんてアダ名付けられたよ」


「ああ。前園様、美容師ですもんね…」


「うん。まぁ、龍哉のアダ名よりはマシだけどねー」


「…どういう意味ですか?司さん」


「だって、“フロントマン”とか…」


「笑わないでください」


「ごめん、って」

あたしは笑いながらそう謝る。


「店員さん曰く“フロントクローク”が言いにくかったらしいですよ」

羽生くんまでくすくすと笑いながらそう説明してくれた。



< 326 / 479 >

この作品をシェア

pagetop