今さら恋なんて…



「いいよ。そんなの気にしないで」

そう言ったあたしの顔を見て、龍哉は、


「司さんこそ、そんなに謝らないでください」

って、柔らかい笑顔で笑った。


思わずきゅんきゅんしているあたしをよそに、龍哉は腕時計で時間を確認すると、

「7時…か。意外と早起きですね、司さん」

なんて笑う。


「え、し、失礼ね。…ってか、龍哉、仕事大丈夫?」


「あ、はい。今日は遅番…お昼からなんです」


「そっか。よかった…」

あたしは思わずほっと息を吐いた。


すると、龍哉は、

「…俺は…司さんが服、脱いでなくて…ほっとしてます」

なんて笑った。


「……」


何も言い返せなくて、思わず言葉を失っていると、

「ちゃんと服着て寝てたのは、俺が添い寝してたから、ですか?」

って、龍哉は意地悪な笑みを見せた。



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