今さら恋なんて…
「それはいいんだけど…龍哉さぁ…」
「はい?」
「さっき、制服だったのに、あたしに触ってたよね」
「……」
「あ、別に“嫌だ”、とかそうのじゃないから…」
即座に言い返してくると思っていたのに、予想外に黙ってしまった龍哉に、あたしは慌ててそう返した。
「…無意識でした。すみません…」
龍哉は歩みを進めたまま、そう謝ってくれる。
「……」
無意識…。
怖い言葉だ…。
またあたしは勘違いしそうになる…。
「あの時は…司さんの様子が気になってしまって…」
「……」
「司さん、色々すぐ顔に出るから…」
「……」
「あの時も…悲しそうな顔、してるなぁ、って…」
「龍哉…」
「ちゃんと俺の顔見て欲しくて…気付いたら触れてました」