今さら恋なんて…
「そうだったんですね。じゃぁ、食べに行きましょうか」
龍哉はそう言って微笑むと、歩みを進めた。
「今日は…お酒飲みますか?」
「…食事メインでよくない?」
「じゃぁ、最初の一杯だけにしましょうか。司さんのために」
「は?どーいうこと?あたしそんなに酒乱じゃないし」
「…この前のこと…忘れちゃったんですか?」
「……」
何も言い返せなくてギリギリと奥歯を噛みしめていると、
「冗談ですよ。ただし、1人の時はあんなになるまで飲まないでくださいね。司さん、か弱い女性なんですから…」
なんて龍哉は呟いた。
「か」
龍哉の言葉に、驚きすぎてあたしは“か”しか言えなかった。
“か弱い”なんてあたしに最も似合わない形容詞だよ!
「“か”…?」
龍哉はあたしの顔を覗き込む様に首を傾げた。