今さら恋なんて…
「…お邪魔します」
「どうぞー」
ドアを開けたあたしに続いて、龍哉も部屋に入ってきた。
あたしは部屋の明かりを付けると、龍哉を振り返る。
「グラス持ってくるから座ってて」
「はい」
龍哉は頷くと、リビングに入っていく。
あたしがリビングに戻ると、龍哉はソファーの片隅に固まった様に座っていた。
…緊張してるの?
「……女子か」
「はい?」
「…何でもない」
誰も取って食いはしないわよ、と思いながらもあたしは首を横に振る。
龍哉の隣に座って、律儀にテーブルに並べられていたワインのボトルを取ると、
「あ。俺、開けましょうか?」
って、龍哉は手を出してくれた。
「ん。ありがと」
あたしはワインを手渡す。
龍哉は綺麗に栓を開けると、あたしのグラスにワインを注いでくれた。