今さら恋なんて…



龍哉はゆっくりあたしの髪を撫でると、

「すみません…急に…」

なんて、小さな声で謝った。


だけど…あたしを腕の中から離そうとはしなかった。


龍哉の腕に包まれながら、あたしはだんだんと冷静さを取り戻し、逆に居心地が良くなっていく。


相変わらずいい匂いだし…。


あったかくて…このまま眠ってしまいたくなる…。


あたしの体から無駄な力が抜けたのが分かったのか、龍哉は少しきつかった抱擁を柔らかいものに変えていく。


あたしは自然にその胸に寄りかかり、龍哉の鼓動に合わせる様に呼吸をした。


「…司さん…いい香り…」


「…セクハラか」


「いつものお返しです」


「……」


「…まだお酒飲みたいですか?」


「……飲まなくてもいいよ…?」


「じゃぁ…もう少しこのままで…」


「……ん」

頷いたあたしの髪を撫で、龍哉はあたしを包み込む様に抱きしめた。



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