今さら恋なんて…
「すみません…。遊川さん、チェーンの居酒屋ですけど…“南”で予約してあるので…店長と飲みに行ってきてください」
央輔は龍哉の名前を呼び直しながら、そう提案した。
「え?何言ってるの?おーちゃん」
央輔の申し出にびっくりしたあたしは思わず央輔を見上げた。
「そうですよ。…今日は…お2人で約束していたんでしょう?」
龍哉も目を丸くしながら央輔とあたしの顔を交互に見た。
「そうなんですけど…俺が店長の話聞くより…遊川さんと直接話した方がいいんじゃないかと思って…」
央輔はそう言うと、あたしに意地悪な笑みを向けた。
「……俺と…直接…?」
龍哉はあたしの顔を覗き込みながら首を傾げる。
「お、おーちゃん…」
「ほら。行ってきてください。俺は1人でも飲めますから」
央輔は龍哉に店の名前と場所を教えると、あたし達に頭を下げて帰って行ってしまった…。