今さら恋なんて…



「お疲れ様でした」


「…お疲れ様」

目を見てそう言った龍哉はあたしの返事を待って、ビールを飲む。


あたしは周りの個室の雑音を聞きながら、ワインを飲んだ。


「……今日、よかったんですか?」


「え?」


「南さんと…」


「あ…。うん…」


「何の話、しようとしてたんですか?」


「……」

直球の質問に、あたしは思わず口籠もる。


火曜日までのあたしは…央輔に“龍哉のキスの意味”を訊こうとしてた。


だけど…あのお客様が来て以来…“龍哉と本当に付き合っていいのか”を訊こうとしてた…。


央輔はそれを感じ取って…あたしに龍哉と直接話す様に促したんだろうけど…直接…言ってしまっていいの?


まだ…付き合ってるかどうかも分からないのに…。



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